内部が平らな珍しい構造の火星のクレーター | アストロピクス

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内部が平らな珍しい構造の火星のクレーター

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが火星の北半球にあるクレーターをとらえたものです。

小さな衝突クレーターは通常、お椀のような構造をしています。ただ衝突した場所が特殊な場合、もう少し複雑な形になることがあります。画像に映るクレーターは、内部に平らな場所が広がり、その中央にくぼみがある珍しい構造をしています。

このようなクレーターの構造は、地下の物質が弱いものから強いものに変化した場合に生じることがあります。その場合、平らな部分の高さはこの変化が生じたところを示しています。画像に映る領域では上部の物質の大部分が氷で、平らな部分は氷とその下の岩とが接していた部分だったと見られています。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2014年1月28日に撮影されたもので、2023年1月8日のHiPODとして紹介されました。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE