ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は2022年7月12日に、科学的にも意味のある初のフルカラー画像を公開する予定です。それを目前に控えた7月6日、NASA(アメリカ航空宇宙局)のウェッブ望遠鏡のブログで、「ファインガイダンスセンサー(FGS)」でテスト撮影された画像が公開されました。
FGSは主に、基準星を追跡することで望遠鏡を正確に目標へ向けるために使われる装置です。FGSは通常、科学観測には使われません。この画像は、科学観測として最適化されたものではなく、ウェッブ望遠鏡がターゲットにどれだけ固定されたままでいられるかをテストするために撮影されました。
それにも関わらず、画像には非常に暗い天体がとらえられており、赤外線で撮影したものとしてはこれまでで最も深い宇宙が映っているとのことです。周囲に放射状に光の筋(回折スパイク)が映っているのは恒星で、それ以外は銀河が映し出されています。銀河は比較的近傍のものから遠方のものまでさまざまな時代のものが映っています。なお画像の色は擬似的につけられたものです。
画像は2022年7月7日にNASAのウェブページで、「NASA Image of the Day(今日の1枚)」としても紹介されました。
なお7月12日のフルカラー画像の公開は、日本時間23時30分から始まる予定です。発表の様子はNASA LiveやESA WEB TV ONEでライブ配信されることになっています。なお関連の配信はその前後も含めて行われるようですので、タイムテーブルなどはNASA LiveやESA WEB TV ONEのページをご覧ください。
※その後、複数のフルカラー画像のうちの1枚が、12日朝6時(日本時間)から先行公開されることが発表されました。フルカラー画像の撮影対象の天体についてはこちらの記事をご覧ください。
Image Credit: NASA, CSA, and FGS team