私たちが住む天の川銀河は棒渦巻銀河と呼ばれるタイプの銀河です。中央の「バルジ」のまわりに銀河円盤があり、いくつかの渦状腕が渦を巻くように外へ伸びています。
天の川銀河のような銀河は、近傍の宇宙では一般的だと考えられています。しかし初期の宇宙では頻繁に銀河同士の衝突が発生していたため、円盤のような構造はこわれてしまうと見られていました。
マンチェスター大学のChristopher Conselice氏らは、初期宇宙でも円盤銀河が従来考えられていたよりもかなり多いらしいことを、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による観測から発見しました。ハッブル宇宙望遠鏡の観測に基づいて考えられていたより10倍も一般的だとのことです。


研究チームによれば今回の研究成果は、宇宙における「構造」が、これまでの予想よりかなり早く形成されることを示唆しているものだとしています。またConselice氏は今回の成果について、「天の川銀河のような円盤銀河が宇宙において最も一般的なタイプの銀河であることを示している」ものであり、「銀河の形成がどのように生じるかについての私たちの理解を変えつつある」ものだとのことです。
Image credit: L. Ferreira, C. Conselice