ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえたハービッグ・ハロー天体「HH 797」

この画像はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえたもので、画像下側にハービッグ・ハロー天体「HH 797」が映っています。ハービッグ・ハロー天体は、生まれたばかりの星から噴き出すジェットが、周囲のガスや塵に高速で衝突して衝撃波を形成する際に明るく輝いて見えてる天体です。

HH 797は、ペルセウス座分子雲複合体の東端付近にある、若い散開星団IC 348の近くに位置しています。画像上部で明るく見えている赤外線天体には、さらに2つの原始星が存在すると考えられています。

地上からの観測により、HH 797に関連する低温の分子ガスについて、赤方偏移した(私たちから遠ざかる)ガスのほとんどが南側(右下)に、青方偏移した(私たちに近づく)ガスが北側(左下)にあることがわかっています。また中心の原始星からのある距離において、ジェットの東端付近の速度が、西端のガスの速度より赤方偏移していることも知られていました。

これはジェットが回転しているために生じているとこれまで考えられていました。しかしウェッブ望遠鏡の観測により、単一だと考えられていたジェットが、実際には2つのほぼ平行なジェットからなり、それぞれ衝撃波を形成していることがわかりました。そのために速度が非対称になっていたのです。原始星は単一の星ではなく連星(二重星)で、それぞれがジェットを噴き出しています。

ウェッブ望遠鏡のウェブページでは毎月、「Picture of the Month(今月の1枚)」の画像を公開しています。今回紹介した画像は2023年11月28日にPicture of the Monthとして掲載されたものです。なお今回紹介したHH 797は、2023年9月にウェッブ望遠鏡の画像が公開されたHH 211の真北に位置しています。(参考記事)生まれたばかりの星HH 211からのジェットと衝撃波 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影

Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, T. Ray (Dublin Institute for Advanced Studies)

(参照)ESA/Webb