組成の違いなどで色分けされた水星(2)

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)のメッセンジャー探査機がとらえた水星の擬似カラー画像です。アストロピクスでは以前、水星最大の衝突盆地であるカロリス盆地が映る半球の擬似カラー画像を紹介したことがありますが、今回の画像はその反対側の半球を示したものです。(参考)組成の違いなどで色分けされた水星

水星表面の組成の違いや、水星表面にどれだけの期間露出しているかなどにより色分けされています。比較的新しいクレーターの周囲に放射状に見られるすじは、水色や白に見えます。青や暗い青の部分には、暗く不透明な鉱物が豊富だと見られています。黄褐色の領域は、流動性の高い溶岩が噴出することで形成された平原です。

水星の右上にはホクサイ・クレーターがあり、そのクレーターから惑星全体に伸びる明るいすじがみえています。クレーター名は江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎にちなんで名付けられたものです。中央やや下に見える黄色みを帯びて明るく見えるクレーターは、紫式部にちなんで名付けられたムラサキ・クレーター、そのすぐ右には江戸時代の浮世絵師、安藤広重にちなんだヒロシゲ・クレーターも見えています。(参考)日本人にちなむ名前が付けられた水星のクレーターの一覧

Image Credit: NASA/Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory/Carnegie Institution of Washington

(参照)Planetary Photojournal