この画像には、地球観測衛星がとらえた黒海が映っています。黒海はヨーロッパとアジアの間にある海で、トルコ(南)、ルーマニアやブルガリア(西)、ロシア(東)、ウクライナ(北)に囲まれています。
画像は2022年6月20日に撮影されたもので、明るい青の部分は、植物プランクトンのブルーム(大増殖)です。海の流れや渦などは海水だけでは見ることはできませんが、ブルームによってそれらが見えるようになっています。
NASA Earth Observatoryによると、黒海でよくみられる植物プランクトンは、白い炭酸カルシウムで覆われた微小なプランクトンである円石藻です。大増殖することで宇宙からも見えるようになり、水面が明るい青に見えるとのことです。
円石藻は例年、衛星画像では5月に見え始め、6月にピークを迎える傾向にあるといいます。実際、冒頭の画像が撮影される1か月前には、沿岸部を除き大部分は濃い青から黒に見えていました。
ただその時期に植物プランクトンが存在しなかったわけではなく、珪藻が生息していたと見られています。このタイプの植物プランクトンは、春に多く発生して海を暗くすることがあるとのことです。
画像はNOAA-20衛星とスオミNPP衛星のデータを組み合わせて作成されたもので、NASA Earth Observatoryで2022年6月28日の「Image of the Day(今日の1枚)」として紹介されました。
Image Source: NASA’s Earth Observatory