ガイア衛星が見た2022年6月13日の小惑星 | アストロピクス

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ガイア衛星が見た2022年6月13日の小惑星

ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の位置天文衛星ガイア(Gaia)は、天の川銀河の精密な3次元マップを作ることを目的としており、主な観測対象は遠方にある恒星です。ガイアは全天を何度も繰り返しスキャンすることで、遠方の恒星の位置や明るさが時間とともにどのように変化するのかを調べます。6月13日に最新データDR3(Data Release 3)が公開されました。(参考記事:ガイア衛星の最新データが明らかにした天の川銀河のさまざまな精密マップ

ただガイアのデータの中には、太陽系内の小惑星も含まれています。時間をおいて観測しても遠方の恒星の変化はごくわずかですが、太陽系内の天体は非常に近くにあるため大きく変化します。その動きを、すでに知られている太陽系天体のカタログと照合すると、その多くが既知の小惑星であることがわかります。ただこれまで知られていなかった小惑星が発見されることもあります。

画像は、2022年6月13日の小惑星の位置をDR3のデータをもとにプロットしたものです。中央の黄色い円は太陽で、地球と木星もプロットされています。線は10日間の動きを示しており、画像をよくみると太陽に近い内側の小惑星ほど線が長く、速く運動していることがわかります。

緑色は小惑星帯の小惑星です。青は太陽系の内側にある近地球型小惑星などを示しています。木星の公転軌道上にあるオレンジ色は、木星のトロヤ群小惑星です。

惑星の公転軌道上で、木星の進行方向とその逆側に存在する小惑星群のことを「トロヤ群小惑星」と呼びます。トロヤ群小惑星が存在するのは「ラグランジュ点(L点)」と呼ばれる地点の周辺です。木星のトロヤ群小惑星には現在、2021年10月に打ち上げられたNASA(アメリカ航空宇宙局)の探査機ルーシーが向かっています

Acknowledgements: P. Tanga (Observatoire de la Côte d'Azur)
Image Credit: ESA/Gaia/DPAC; CC BY-SA 3.0 IGO, CC BY-SA 3.0 IGO

(参照)ESA