この画像には、ポンプ座の方向、約1億3000万光年の距離にあるポンプ座銀河団(Abell S636)が映っています。
画像は、南米チリにあるセロ・トロロ汎米天文台(CTIO)のビクター・M・ブランコ4m望遠鏡に搭載されたダークエネルギー・カメラ(DECam)で撮影されました。画像には、ポンプ座銀河団に属する銀河の一部と、より遠方にある数千もの銀河が映っています。
ポンプ座銀河団には、2つの巨大な楕円銀河NGC 3268(中央)とNGC 3258(右下)を含め、230個の銀河が存在することが知られています。NGC 3268とNGC 3258は合体しつつあるとみられており、ポンプ座銀河団自体も2つの銀河団の合体が進行中である可能性があるようです。
ポンプ座銀河団にはレンズ状銀河が多く存在し、不規則銀河も見つかっています。またこの銀河団では、超コンパクト矮小銀河、コンパクト楕円銀河、青色コンパクト矮小銀河などのような、比較的珍しい低光度の矮小銀河が多数発見されています。
5億7000万画素のDECamはもともと、ダークエネルギー(暗黒エネルギー)の解明に向けた「ダークエネルギーサーベイ」のために製造されました。サーベイ計画の後は、さまざまな観測に使われています。
3つの銀河のクローズアップ画像
こちらは冒頭の画像の右下に見られる巨大な楕円銀河NGC 3258。
こちらは冒頭の画像で、楕円銀河NGC 3258のさらに右下側に見られる超コンパクト矮小銀河ANTL J102828-354128。
こちらは冒頭の画像の左端付近に見られる渦巻銀河ESO 375-53。
Image Credit: Dark Energy Survey/DOE/FNAL/DECam/CTIO/NOIRLab/NSF/AURA; Image processing: R. Colombari & M. Zamani (NSF NOIRLab)
(参照)NOIRLab