史上最小! 地球より小さな自由浮遊惑星を発見

Credit: Jan Skowron / Astronomical Observatory, University of Warsaw.

ポーランド、ワルシャワ大学の天文学者が率いる国際的な研究チームが、これまでに発見された中で最も小さな自由浮遊惑星を発見したと発表しました。その自由浮遊惑星は地球より小さな天体である可能性があるとのことです。

自由浮遊惑星とは、どの星とも重力的に結びついていない惑星のことです。恒星とは異なり、自由浮遊惑星は自ら光りません。そこで研究チームは重力マイクロレンズという現象を利用して、小さな自由浮遊惑星を発見しました。

アンシュタインの一般相対性理論によれば、重力によって光は曲がります。そのような現象を重力レンズといいます。星のような小さな天体の重力レンズによって、遠方にある天体からの光が増光する現象が重力マイクロレンズです。

マイクロレンズ現象を観測するには、光源となる遠方の天体、レンズとなる天体、地球の観測者の3者がほぼ一直線になる必要があるため、マイクロレンズを観測できる可能性は非常に低くなります。

そのため、重力マイクロレンズ現象を探す最新の調査では、現象が起きる可能性の高い、天の川銀河の中心部にある何億もの星を観測しています。ワルシャワ大学の天文学者が率いるOGLEサーベイでも、そのような観測を行っています。

レンズとなる天体の質量が小さいほど、重力マイクロレンズ現象の時間は短くなります。レンズ天体が恒星の場合、マイクロレンズ現象が数日続きます。しかし自由浮遊惑星に起因するマイクロレンズ現象は、数時間というタイムスケールで発生します。マイクロレンズ現象の持続時間(および光度曲線の形状)を測定することで、レンズ天体の質量を推定できます。

研究チームは「OGLE-2016-BLG-1928」というこれまで発見された中で最も短いタイムスケールのマイクロレンズ現象を発見しました。その持続時間はわずか42分間でした。モデルによれば、この現象を引き起こしたレンズ天体は地球よりも質量が小さく、おそらく火星程度の質量の天体であることを示しているとのことです。

(参照)University of Warsaw