この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)が、火星の北極地方をとらえたものです。2019年7月16日に撮影され、10月14日にリリースされました。
火星の北極、南極には、水の氷や二酸化炭素の氷(ドライアイス)におおわれた極冠があります。氷におおわれる範囲は季節によって変化します。北極冠では、ドライアイスの層は夏になると昇華して水の氷だけが残ります。
火星の北極冠では、層状堆積物のまわりを砂丘が取り囲んでいます。この画像は、その砂丘の一部を撮影したものです。火星の北半球の春の時期に撮られたもので、まだほとんどがドライアイスにおおわれています。
盛り上がっているところは、直径が100mに満たない大きさの砂丘です。人工的に作られたかのように見えるかもしれませんが、自然に吹く風の作用でできたものです。
ところどころに黒い領域が映っていますが、これは部分的にドライアイスが昇華して下の暗い表面が露出している場所です。
こちらの画像は、冒頭の画像よりも広域を映したもの。同じような砂丘がたくさん並んでいるのが分かります。
Image Credit: NASA/JPL/University of Arizona