スピッツァー望遠鏡が赤外線でみた「針」と呼ばれる渦巻銀河 | アストロピクス

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スピッツァー望遠鏡が赤外線でみた「針」と呼ばれる渦巻銀河

この画像はNASA(アメリカ航空宇宙局)のスピッツァー宇宙望遠鏡が赤外線でとらえたもので、渦巻銀河NGC 4565が映っています。NGC 4565は、かみのけ座の方向、約5000万光年の距離にあります。天の川銀河の約2倍の大きさをもつ巨大な銀河です。

銀河円盤が地球に対して真横を向いており、非常に細長く見えます。NGC 4565はその見た目から「Needle(針) Galaxy」と呼ばれることもあります。この銀河のように円盤をほぼ真横から見た銀河は「エッジオン銀河」と呼ばれます。

青く見えているのは比較的短い波長の赤外線で、何千億もの星々の光がぼんやりと映し出されています。赤はより長い波長の赤外線で、塵の雲が銀河の中央部をリング状に取り巻くように映っています。やや四角ばった中央部の膨らみ(バルジ)から、内側の塵のリングの内部に、星々からなるはっきりした棒状構造が存在すると推測されています。

この画像は、2003年8月に打ち上げられ、2020年1月にミッションを終了したスピッツァー望遠鏡のアーカイブデータから作成されました。打ち上げ20周年をうけて、スピッツァー望遠鏡のウェブページに掲載された未公開画像です。波長が3.5μm、4.5μm、8.0μmの赤外線がそれぞれ青、緑、赤で示されています。

なおアストロピクスでは、NGC 4565を可視光で見た画像を紹介したことがあります。ESO(ヨーロッパ南天天文台)パラナル天文台のVLT(超大型望遠鏡)で撮影された画像です。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech

(参照)Spitzer Space Telescope