「空飛ぶ天文台」がとらえた渦巻銀河M51の歪んだ磁力線 | アストロピクス

「空飛ぶ天文台」がとらえた渦巻銀河M51の歪んだ磁力線

この画像は、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した渦巻銀河M51(NGC 5194)の画像の上に、赤外線天文学成層圏天文台(SOFIA)が検出した磁力線を重ね合わせて表示したものです。SOFIAの観測によって、M51の外側の渦状腕の磁場が渦巻の形に沿ったものではなく歪んでいることが分かりました。

M51は、りょうけん座の方向、3100万光年の距離にある渦巻銀河です。小さな銀河NGC 5195を伴っていることから「子持ち銀河」とも呼ばれます。

M51の渦状腕に見られる赤い部分は、激しい星形成が起きている領域です。その激しい星形成活動が、渦状腕の一つを引っ張るNGC 5195からの力と相まって、磁力線を歪めていると考えられています。このような観測は、銀河進化において磁場が果たす複雑な役割を解き明かすのに役立つとのことです。

なおSOFIAは、2.5m反射望遠鏡を搭載するよう改造されたボーイング747-SPジェット旅客機で、「空飛ぶ天文台」とも呼ばれています。

Image Credit: NASA, the SOFIA science team, A. Borlaff; NASA, ESA, S. Beckwith (STScI) and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)

(参照)NASA