NASA(アメリカ航空宇宙局)の太陽系外惑星探索衛星TESSと、その後の地上からの追加観測によって、260光年離れた年齢約20億歳の恒星LTT 9779のすぐそばを公転する太陽系外惑星「LTT 9779 b」が発見されました。
LTT 9779 bは、恒星から0.017天文単位のところを約19時間で公転しています。半径は地球の約4.7倍、質量は地球の約29倍で、海王星よりやや大きな惑星です。地球質量の2〜3倍程度の水素を主成分とした大気を持つと推定されています。恒星のすぐ近くを公転しているため、LTT 9779 bの表面温度は1700度Cを超えると見られています。
これまで4000個以上が発見されてきた系外惑星の中には、公転周期が1日未満の軌道で、地球の半径の2倍より小さな惑星や、木星(半径が地球の約11倍)のような巨大惑星はありました。しかし海王星(半径が地球の約4倍)程度の惑星が発見されたことはこれまでになく、そのような領域は「海王星砂漠」と呼ばれていました。
公転周期が1日未満の軌道では、水素を主成分とした惑星の大気が恒星に流れ込んでしまったり、恒星からの激しいX線や紫外線によって大気が吹き飛ばされてしまったりすると考えられています。そのためその辺りの軌道には、重力が大きく大気を保持できる木星のような巨大惑星か、大気を失ってしまった地球型惑星のどちらかしか存在できないと見られていました。
しかしそのような軌道にありそうもない系外惑星が発見されたのです。一つの可能性としては、LTT 9779 bが他の天体と衝突するなどして、比較的最近になって現在の軌道へやってきたものであり、まだ大気を失うほど時間が経過していないということが考えられるとのことです。
Image Credit: Ricardo Ramirez/University of Chile