アルマ望遠鏡が初めて観測した地球に似た軌道の惑星の誕生現場

この画像は、アルマ望遠鏡が「うみへび座TW星」のまわりの原始惑星系円盤をとらえたもので、2016年に公開された画像です。うみへび座TW星の年齢は約1000万歳で、以前アストロピクスでも紹介したおうし座HL星より進化した天体です。

地球から175光年の距離にある「うみへび座TW星」のまわりには、以前から惑星ができつつあるガスと塵からなる円盤があることが知られていましたが、アルマ望遠鏡によってその円盤のようすが非常に詳しく観測されました。

観測の結果、中心星から約1億5000万キロメートル、33億キロメートル、55億キロメートルの距離のところで、円盤に隙間があることがわかりました。それらの隙間は、形成途中の惑星が公転するときに、軌道上にあった塵やガスを掃き寄せてできた可能性があるとみられています。

最も内側の隙間は、太陽と地球の間の距離にあたります。こんな距離のところの隙間を観測できたのはアルマ望遠鏡ならではです。そこではもしかしたら、地球に似た惑星や、もう少し大きな「スーパーアース」と呼ばれる惑星が誕生しつつあるのかもしれません。

円盤の中央部分を拡大したもの。太陽〜地球間と同じくらいの距離の隙間が映し出されています。

Image Credit: S. Andrews (Harvard-Smithsonian CfA), ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)

(参照)アルマ望遠鏡