伴星を飲み込んだ赤色巨星がアウトバースト。まき散らされたガスをアルマ望遠鏡がとらえた | アストロピクス

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伴星を飲み込んだ赤色巨星がアウトバースト。まき散らされたガスをアルマ望遠鏡がとらえた

ケンタウルス座にある「HD 101584」という連星のまわりに広がるガスを、アルマ望遠鏡がとらえた画像です。連星は緑のリング状の構造の中心の明るい点のところにあります。色は速度をあらわしており、青は地球の方向へ近づくガス、赤は地球から遠ざかるガスを示しています。

太陽程度の質量の恒星は、年老いると膨張して赤色巨星という巨大な星に進化し、最終的には外層のガスがなくなって中心に白色矮星と呼ばれる星が残されます。このようなプロセスはふつうゆっくりと進行します。しかしHD 101584では、そのような死にゆくプロセスが早く終了してしまいました。

HD 101584では主星が赤色巨星になったとき、低質量の小さな伴星を飲み込むほどに膨張しました。その際、小さな伴星は赤色巨星の中心部に向かってらせんを描くように落ち込んでいきました。この動きによって赤色巨星がアウトバーストを起こしてガスの層をまき散らしてしまったのです。

HD 101584のガスの複雑な構造は、小さな星が赤色巨星に向けてらせん状に落ちていったことと、このプロセスで形成されたガスのジェットのために生じたのだろうと研究チームでは考えています。

Image Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Olofsson et al. Acknowledgement: Robert Cumming

https://www.eso.org/public/images/eso2002a/

https://alma-telescope.jp/news/doublestar-202002