NASA(アメリカ航空宇宙局)の太陽観測衛星STEREO-Aが、太陽に接近したアトラス彗星を撮影しました。上の映像は、2020年5月25日から6月1日にかけて撮影されたものです。アトラス彗星は5月31日に近日点(太陽から約3700km)を通過しました。
太陽は画像の左側の外にあって見えていません。左から吹く太陽風にさらされながら、アトラス彗星が画像上部から現れて左下へ動いていくのが映っています。彗星の塵の尾が、太陽光を反射して白く伸びているのが分かります。画像左の枠外から現れる明るい点は水星です。
彗星が太陽に近づくと、塵でできた「塵の尾」と荷電粒子でできた「イオンの尾」が現れます。STEREOがこの映像を撮影している間の5月31日、画像の枠外でESA(ヨーロッパ宇宙機関)の太陽探査衛星ソーラー・オービターがアトラス彗星のイオンの尾を横切りました。ソーラー・オービターは6月6日には塵の尾を通過する予定です。
ソーラー・オービターは6月15日から本格的な科学運用に入る予定でしたが、アトラス彗星の尾を通過することが分かったため試運転のスケジュールを調整し、4つの観測機器で彗星の尾の観測を行うことになりました。
Image Credit: NASA/NRL/STEREO/Karl Battams