2022年10月12日、ESA/NASAの太陽探査機ソーラー・オービターが、主要科学フェーズとしては2度目の太陽最接近を完了しました。最接近時にソーラー・オービターは、太陽〜地球間の距離の0.29倍(0.29天文単位)まで太陽に近づきました。
映像は10月13日に太陽の上層大気「コロナ」のようすを極端紫外線でとらえたものです(画像は映像の1場面のスクリーンショット)。太陽の表面(光球)の上には「彩層」と呼ばれる大気の層があります。さらにその上に淡く広がるのがコロナです。
映像は17nmの極端紫外線で100万度の高温のコロナを撮影したものです。コロナでは電気を帯びたガス(プラズマ)が、太陽の磁場の変化に伴って絶えず動いています。映像にはフレアやCME(コロナ質量放出)などのない「静かな」コロナのようすが映し出されています。太陽は2025年の活動極大期に向けて活動が活発化しつつあります。そのため、このような静かなコロナはしだいに見られなくなっていきます。
映像の解像度は1ピクセルあたり105kmです。この縮尺で地球を見たとしたら、地球は120ピクセルほどです。映像の横幅(2048ピクセル相当)は地球17個分に相当します。
こちらの映像は、ソーラー・オービターが太陽に接近中の9月20日から10月10日までに撮影した画像をつなげたものです。冒頭の映像と同様、こちらも17nmの波長の極端紫外線で撮影されました。