ハッブルがとらえたガスと塵の柱「コーン星雲」 〜 30 Years, 30 Images #12(2002年)

ハッブル宇宙望遠鏡が、コーン星雲(NGC 2264)の一部をとらえた画像です。コーン(cone)は、円錐のことです。コーン星雲は星形成領域にあるガスと塵の柱で、地上から望遠鏡でみると円錐状にみえることから名付けられました。いっかくじゅう座の方向、約2500光年の距離にあります。わし星雲(M16)にある創造の柱と同じような星雲です。

コーン星雲全体では、長さ7光年ほどあります。この画像に映っているのは、そのうちの上部の2.5光年分です。

画像の上の枠外にある、若く高温の星からの放射によって、何百万年以上もの間、ゆっくりと星雲が侵食されてきました。星からの紫外線は暗黒の星雲の縁の部分を加熱し、ガスを周囲の宇宙空間へ放出します。放出されたガスが紫外線によって輝き、柱のまわりで後光のように見えています。

2002年3月、スペースシャトルによって行われた保守ミッション(サービスミッション)SM3Bで、ハッブル宇宙望遠鏡にACS(掃天観測用高性能カメラ)が設置されました。このコーン星雲の画像は、そのすぐ後の4月2日にACSで撮影されたものです。

ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ30周年(2020年4月24日)に向けて、NASA(アメリカ航空宇宙局)は「30 Years, 30 Images」と題して、これまでハッブルが撮影してきた画像から各年1枚ずつ選んで公開しています。

30 Years, 30 Images

冒頭の画像はその12枚目のもので、2002年にリリースされた画像です。

冒頭のコーン星雲の画像はアストロピクスで以前、「ガスと塵の柱、コーン星雲」の記事で紹介しましたが、「30 Years, 30 Images」に含まれましたので改めて紹介しました。

Image Credit; NASA, H. Ford (JHU), G. Illingworth (UCSC/LO), M.Clampin (STScI), G. Hartig (STScI), the ACS Science Team, and ESA;
The ACS Science Team: H. Ford, G. Illingworth, M. Clampin, G. Hartig, T. Allen, K. Anderson, F. Bartko, N. Benitez, J. Blakeslee, R. Bouwens, T. Broadhurst, R. Brown, C. Burrows, D. Campbell, E. Cheng, N. Cross, P. Feldman, M. Franx, D. Golimowski, C. Gronwall, R. Kimble, J. Krist, M. Lesser, D. Magee, A. Martel, W. J. McCann, G. Meurer, G. Miley, M. Postman, P. Rosati, M. Sirianni, W. Sparks, P. Sullivan, H. Tran, Z. Tsvetanov, R. White, and R. Woodruff.

https://www.flickr.com/photos/nasahubble/49576081348/in/album-72157713228021437/

https://hubblesite.org/contents/media/images/2002/11/1189-Image.html