大マゼラン銀河のタランチュラ星雲のクローズアップ ハッブル望遠鏡の「今週の1枚」

この画像はハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、大マゼラン銀河にあるタランチュラ星雲(かじき座30)の一部が映し出されています。大マゼラン銀河は天の川銀河の伴銀河(衛星銀河)で、地球から約16万光年の距離にあります。

タランチュラ星雲は、天の川銀河を含む局所銀河群の中で最大かつ最も明るい星形成領域です。知られているなかで最も高温、最も質量の大きな恒星も存在しています。星の形成や進化についての理論を検証するべく、ハッブル望遠鏡は何度もタランチュラ星雲の観測を行ってきました。

画像は2つの別々の観測によって得られたデータを組み合わせたもので、赤いガスや暗い塵、青い星々などが見えています。1つは星の光と星間塵の相互作用を調べる観測、もう1つは初期宇宙に似た条件のもとでの星形成を研究するための観測です。

画像はハッブル望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)とWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、2023年1月30日にハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, C. Murray, E. Sabbi、Acknowledgement: Y.-H. Chu

(参照)ESA/Hubble