
この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河NGC 4388です。NGC 4388は、おとめ座の方向、地球から約6000万光年の距離にあります。1000個以上の銀河からなるおとめ座銀河団に属する銀河です。NGC 4388の銀河円盤を真横に近い角度から見ています。
銀河間物質の圧力で銀河内のガスが引きずり出された
銀河団の中で、銀河と銀河の間は何もないわけではありません。そこは銀河間物質と呼ばれる高温のガスで満ちています。NGC 4388の中央付近から右下方向へ向かって、ガスがうっすらと伸びているのが見えますが、これはNGC 4388が銀河団の中を移動する際、銀河間物質の圧力によってNGC 4388内部のガスが押し流されたものです。
引きずり出されたガス雲を輝かせるエネルギー源は、はっきりしたことはわかっていません。エネルギーの一部は、銀河中心にある超大質量ブラックホールから来ているのではないかとみられています。ブラックホールの周囲にある円盤からの強烈な放射線が銀河に近いガスを電離させ、また衝撃波がより外にあるガスのフィラメントを電離させて光っているのではないかと考えられています。
画像はWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、ハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2025年12月15日に公開されました。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, S. Veilleux, J. Wang, J. Greene
(参照)ESA/Hubble

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