ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた若い星団ピスミス24 | アストロピクス

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた若い星団ピスミス24

こちらの画像はハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、「彼岸花星雲」とも呼ばれる星形成領域NGC 6357の中心部が映っています。画像上側には「ピスミス24」という若い散開星団が映り、画像下部には星雲の一部が映し出されています。NGC 6357は、さそり座の方向、地球から約5500光年の距離にあります。

星団の星々からの強烈な紫外線が星雲を侵食し、星雲内に空洞を作り出しました。画像の上側はそのような空洞が見えています。画像下部には、侵食に耐えて残った柱状の構造が、星団の方向を指し示すかのように伸びているのが映っています。

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ハッブルの観測で超大質量の星が2つの星からなることが判明

ピスミス24-1は左の画像では1つの星に見えるが、右の画像では2つの星に分離してとらえられている。
ピスミス24-1は左の画像では1つの星に見えるが、右の画像では2つの星に分離してとらえられている。

「ピスミス24-1」と呼ばれる画像内で最も明るく見える星は、かつて太陽の200〜300倍の質量をもつ、とんでもなく大質量の星だと考えられていました。しかしハッブル望遠鏡の観測により、ピスミス24-1が実際には2つの星からなることがわかりました。それら2つの星はそれぞれ、太陽の74倍と66倍の質量をもつとみられています。

画像はハッブル望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)とWFPC2(広視野惑星カメラ2)で撮影され、2006年に公開されたものです。ピスミス24については最近、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえた画像が公開されています。

(参考)
彼岸花星雲にある若い星団「ピスミス24」 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影
ダークエネルギーカメラがとらえた「彼岸花星雲」

Image Credit: NASA, ESA and Jesús Maíz Apellániz (Instituto de Astrofísica de Andalucía, Spain). Acknowledgement: Davide De Martin (ESA/Hubble)

(参照)ESA/Hubble