海王星のオーロラ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が初検出! | アストロピクス

海王星のオーロラ ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が初検出!

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって、海王星のオーロラが初めてとらえられました。画像の上側はハッブル宇宙望遠鏡がとらえた海王星、下側はハッブル望遠鏡の画像にウェッブ望遠鏡のNIRSpec(近赤外線分光器)のデータを組み合わせたものです。

観測は2023年6月に行われました。それまで木星や土星、天王星ではオーロラが検出されていましたが、海王星でのオーロラの検出は今回が史上初めてです。ハッブルとウェッブを組み合わせた画像で、シアン色の領域がオーロラを示しています。白く見えている部分は雲です。

海王星のオーロラは、極域で出現する地球や木星などと異なり、中緯度地域に出現しています。これは海王星の磁場が、自転軸に対して約47度傾いているためです。

ウェッブ望遠鏡の観測では、1989年に最接近したボイジャー2号以来、34年ぶりに大気上層の温度も測定されました。「2023年の温度は1989年の半分強だった」とノーサンブリア大学のHenrik Melin氏は語っています。長年、ボイジャー2号が測定した温度に基づいて、海王星のオーロラの強さが予測されてきました。ただ温度が大幅に低くなると、オーロラははるかに弱くなります。海王星で長い間オーロラが検出されなかったのは、おそらくこの低温が理由だろうとのことです。

(参考)リングがくっきり! ウェッブ望遠鏡がとらえた海王星の最新画像

Image Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, Heidi Hammel (AURA), Henrik Melin (Northumbria University), Leigh Fletcher (University of Leicester), Stefanie Milam (NASA-GSFC)

(参照)Webb Space TelescopeESA/Webb