星形成率の高い渦巻銀河NGC 5668 ハッブル望遠鏡が撮影

この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河NGC 5668です。NGC 5668は、おとめ座の方向、約9000万光年の距離にあります。

NGC 5668の直径は約9万光年で、私たちが住む天の川銀河とほぼ同じ大きさと質量の銀河です。ただ天の川銀河と比べると、NGC 5668では60%速く新しい星を形成しています。

銀河の中央部のバルジがやや楕円形になっていますが、棒渦巻銀河の中央にある棒状構造と同じように、それが銀河の星形成率に影響しているとみられます。

またNGC 5668では、銀河円盤とそれを取り巻くハローとの間で、高速の水素ガスが垂直に移動していることが知られています。それは高温の大質量星からの強烈な恒星風によって生成され、新しい星形成領域にガスを供給します。

星形成率の高さは、超新星爆発の多さにも関係します。NGC 5668ではこれまで、1952年、1954年、2004年に超新星が観測されています。

画像はハッブル望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)で撮影されたもので、ハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2024年9月9日に公開されました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, C. Kilpatrick

(参考)「ハッブル今週の1枚」記事一覧

(参照)ESA/Hubble