この画像に映っているのは、パルサー星雲「MSH 15-52」です。パルサーとパルサー星雲、そして低エネルギーX線星雲が組み合わさることで、まるで人間の手が輝く燃えさしをつかもうとしているかのような形になっています。パルサー星雲は、超新星爆発の後にできたパルサー(回転する中性子星)から吹き出した荷電粒子(パルサー風)が、超新星残骸などと衝突することで形成されます。
手と燃えさしのように見えている部分(青と金色)は、チャンドラX線望遠鏡がとらえたX線の画像です。画像の背景は、南米チリ、セロ・トロロ汎米天文台にあるビクター・M・ブランコ4m望遠鏡に搭載されている「ダークエネルギーカメラ」で撮影された赤外線画像です。
手首の部分に見える白く明るい部分にパルサーがあります。燃えさしのように見えているのは、超新星残骸の一部です。
1999年7月に打ち上げられた、NASA(アメリカ航空宇宙局)のチャンドラX線望遠鏡は、2024年7月で25周年を迎えました。打ち上げ25周年を記念して、チャンドラ望遠鏡のX線データを含む25点の新たな画像が公開されました。冒頭の画像は、その25点のうちの1枚です。
Image Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical: NASA/JPL-Caltech/DECaPS; Image processing: NASA/CXC/SAO/J. Schmidt