この画像はハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、矮小銀河NGC 5253が映っています。NGC 5253はケンタウルス座の方向、約1100万光年の距離にあります。
NGC 5253は、「スターバースト銀河」や「青色コンパクト矮小銀河」に分類されています。これらの名称は、NGC 5253において明るく巨大な星団が例外的な速度で形成されていることを意味しています。ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したこの画像には、星形成の材料となる高密度のガスと塵の雲が赤みを帯びて映っています。
画像はハッブル望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)の広視野チャンネルと、WFPC2(広視野惑星カメラ2)のデータを組み合わせたものです。WFPC2は、2009年までハッブル望遠鏡に搭載されていた旧型のカメラです。
こちらの画像は、ACSの高解像度チャンネルで撮影された、NGC 5253の中心領域です。
NGC 5253には、複数の超星団(super star cluster)が含まれています。超星団は、いずれ球状星団に進化するとみられている巨大な星団です。球状星団の起源はよくわかっていません。その謎に迫るべく、ACSの高解像度チャンネルを使ってNGC 5253の観測が行われました。なおACSは2007年にハッブル望遠鏡に設置されましたが、高解像度チャンネルは故障のため5年間しか運用されませんでした。
画像はハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として、2024年6月24日に公開されました。
(参考)「ハッブル今週の1枚」記事一覧
(参照)ESA/Hubble