この画像に映っているのは、不規則矮小銀河NGC 4449(Caldwell 21)です。NGC 4449は、りょうけん座の方向、約1300万光年の距離にあります。画像は、ハワイ島のマウナケア山頂付近にあるジェミニ北望遠鏡で撮影されました。銀河全体で、赤く輝く領域が目立ちます。これは電離した水素が豊富にあり、星形成が進行中であることを示しています。
NGC 4449では、数十億年にわたり星形成が続いてきました。現在は、過去よりも非常に速い速度で新たな星々が生まれています。スターバースト(爆発的な星形成)は通常、銀河の中心領域で起こりますが、NGC 4449ではより広範囲で発生しています。
「M94銀河群」を構成する銀河の一つであるNGC 4449の近くには、いくつかの小さな銀河が存在しています。NGC 4449での急速な星形成は、他の銀河との相互作用によって引き起こされた可能性が高いとみられています。実際、2つの銀河と過去に合体したとみられる形跡が見つかっています。
なお、今のペースでNGC 4449での星形成が続くとすると、星の材料となるガスの供給は、あと10億年ほどしかもたないとみられています。
画像はジェミニ北望遠鏡の25周年を記念して公開されました。ジェミニ望遠鏡は、ほぼ同じ設計の口径8.1m望遠鏡が、ハワイ島(ジェミニ北望遠鏡)と、南米チリのセロ・パチョン(ジェミニ南望遠鏡)に設置されています。ジェミニ北望遠鏡は、1999年6月25日に開所式が行われ、初画像が公開されました。ジェミニ南望遠鏡は翌年にファーストライトを迎えました。
(参考)
広範囲で星形成が進む矮小不規則銀河NGC 4449 ハッブル望遠鏡が撮影
爆発的に星形成が進む矮小銀河NGC 4449 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影
Image Credit: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA; Image Processing: J. Miller (International Gemini Observatory/NSF NOIRLab), M. Rodriguez (International Gemini Observatory/NSF NOIRLab), T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF NOIRLab), M. Zamani (NSF NOIRLab)
(参照)NOIRLab