この画像は、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が中間渦巻銀河NGC 1566をとらえたものです。ウェッブ望遠鏡のNIRCam(近赤外線カメラ)とMIRI(中間赤外線装置)で撮影されました。NGC 1566は、かじき座の方向、6000万光年の距離にあります。地球に対して銀河円盤を正面に向けた、いわゆる「フェイスオン銀河」の1つです。
NIRCamの画像は青で示されており、主に星が映っています。一方のMIRIの画像は赤っぽい色で示されており、主に塵が映っています。
NGC 1566は2本の渦状腕が巻き付く様子から「スペインのダンサー」との愛称も付けられています。
ハッブル宇宙望遠鏡の撮影画像
こちらは同じNGC 1566を、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた画像です。こちらは可視光と紫外線のデータを組み合わせたものです。冒頭の画像と比べてみると、ウェッブ望遠鏡の画像で明るくなっている部分が、ハッブル望遠鏡の画像では暗くなっているのがわかります。塵は赤外線を放射するためウェッブ望遠鏡の画像では輝いて見えますが、可視光や紫外線を吸収するためハッブル望遠鏡の画像では暗く見えています。
こちらはNGC 1566をとらえたウェッブ望遠鏡とハッブル望遠鏡の画像を交互に示した映像。
ウェッブ望遠鏡の画像では、NGC 1566の中心部で古い星々が青く見えています。一方、ハッブル望遠鏡の画像では、銀河の中心部は黄色っぽく見えています。
画像は2024年1月29日に公開された、ウェッブ望遠鏡がとらえた19のフェイスオン渦巻銀河の画像のうちの1枚です。「PHANGS(Physics at High Angular resolution in Nearby GalaxieS:近傍銀河の高解像度観測による物理学研究)」というプログラムの一環で撮影された画像。
(参考記事)ウェッブ望遠鏡がとらえた19の「フェイスオン」渦巻銀河コレクション
Image Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, Janice Lee (STScI), Thomas Williams (Oxford), Rupali Chandar (UToledo), PHANGS Team