JAXA(宇宙航空研究開発機構)は12月5日、9月7日に打ち上げた小型月着陸実証機「SLIM」を2024年1月20日に月面へ着陸させる予定だと発表しました。
SLIM(Smart Lander for Investigating Moon)の目的は主に2つ。1つは月面の「降りたいところに降りる」ための高精度な着陸技術を実証することです。従来の探査機が数kmから10数kmの着陸精度だったのに対して、SLIMは100mオーダーの着陸精度を目指しています。
2つ目の目的は、従来より小型で軽量な探査機システムの実現です。それにより、月惑星探査の高頻度化を目指しています。
打ち上げ以降の経緯と月面着陸までの予定
9月7日に打ち上げられたSLIMは、10月1日に月に向かう軌道に投入されました。その後、10月4日に月でスイングバイを行って11月6日に地球から最も遠い地点を通過しました。今後、12月25日に月周回軌道に入る予定です。
12月25日には、近月点高度600km×遠月点高度4000kmの月周回軌道に投入されます。その後1月中旬にかけて軌道の高度を下げていき、600×600kmの軌道に入ったのち、1月中旬に150×600kmの軌道へ投入されます。
そして1月19日22時40分ごろから、15×600kmという軌道への変更を実施します。20日0時00分ごろ、高度15kmから月面への降下を開始し、0時20分ごろに月面に着陸する予定です。着陸の制御は、SLIMが自律的に行うことになります。