オシリス・レックス、サンプル採取量の目標達成。ただし留め具が外せず多くはまだ取り出せず。

探査機オシリス(オサイリス)・レックスが持ち帰った小惑星ベンヌ(ベヌー)のサンプル(試料)を処理しているキュレーションチームは、これまでに岩石と塵をあわせて70.3グラムのサンプルを収集しました。少なくとも60グラムとしていたNASA(アメリカ航空宇宙局)の目標の量をこえました。これまで収集されたのは、サンプラーヘッドの外側にあったものと、ヘッドの中にある一部のサンプルです。

グローブボックス内での作業。Image Credit: NASA
グローブボックス内での作業。Image Credit: NASA

キュレーション作業は、特別なグローブボックスの中で行われています。これまでキュレーションチームによって、グローブボックス内でサンプラーヘッドを開ける作業が行われてきました。ただ35個ある留め具のうちの2つが、現在グローブボックス内で使用が承認されているツールでは取り外すことができていません。

ベンヌでのサンプル採取時のサンプルヘッドのようす。接地時にフタ(赤い直線部分)が開きサンプルが収納されます。Image Credit: NASA Goddard
ベンヌでのサンプル採取時のサンプルヘッドのようす。接地時にフタ(赤い直線部分)が開きサンプルが収納されます。Image Credit: NASA Goddard

サンプラーヘッドには、ベンヌでのサンプル採取の際に開閉するフタのような部分があります。これまでヘッド内のサンプルは、そのフタをあけた隙間からピンセットなどを使って取り出したものです。上の画像の赤色の直線がフタの部分です。

チームは今後、すでに収集できたサンプルを処理しつつ、ヘッド内に残るサンプルを取り出す手順を検討し、実施する予定だとしています。ただし使用できるツールは、グローブボックス内に入れることができ、試料の科学的な完全性を損なわないものである必要があります。また全ての手順がクリーンルームの基準と一致していなければなりません。

Credit: NASA Goddard

Credit: NASA Goddard

(参照)NASA blog - OSIRIS-REx Mission