探査機オシリス・レックス、2021年5月10日に小惑星ベンヌを出発し地球帰還へ | アストロピクス

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探査機オシリス・レックス、2021年5月10日に小惑星ベンヌを出発し地球帰還へ

小惑星ベンヌ(左下)を出発するオシリス・レックスの想像図。
小惑星ベンヌ(左下)を出発するオシリス・レックスの想像図。

NASA(アメリカ航空宇宙局)の小惑星探査機オシリス・レックスが2021年5月10日に小惑星ベンヌを離れ、地球への帰還の途に着くと発表されました。オシリス・レックスは2020年10月20日にタッチダウンを行い、かなりの量のサンプルを採取したと見られています。サンプルを入れたカプセルが地球に届くのは2023年9月24日の予定です。

ベンヌを5月に出発すると、搭載燃料の消費量が最も少なくて済むそうです。また5月までの間に、ベンヌでもう一度フライバイすることが可能かどうかを検討しているとのこと。もし実行可能であればフライバイは4月上旬に行われ、「ナイチンゲール」と名付けられたサンプル採取地点を3.2kmの距離から観測し、サンプル採取の前後でどう変わったかなどを調べる予定です。

オシリス・レックスはまた、ベンヌが1回転する間、南北両半球と赤道領域の高解像度画像を撮影します。研究チームはその後、2019年に得られたベンヌの高解像度画像と新しい画像を比較することにしています。

サンプル採取時にオシリス・レックスの観測機器に塵などが付着した可能性もあり、それらの観測は機器の現在の状態を評価する機会にもなります。これはサンプルを地球に届けた後の延長ミッションの可能性を評価する上でも重要です。

オシリス・レックスは地球に接近するとサンプルの入ったカプセルを分離します。地球の大気圏に再突入したカプセルは最終的にパラシュートを使ってアメリカ、ユタ州の砂漠に着地する予定です。回収後のカプセルはヒューストンにあるジョンソン宇宙センターのキュレーション施設に運ばれます。その後、世界中の研究室へサンプルが配布されることになります。

Image Credit: NASA/Goddard/University of Arizona

(参照)NASA