この画像は、すばる望遠鏡やジェミニ北望遠鏡などがあるハワイ島、マウナケア山頂付近で撮影されたものです。日の出の頃に撮影されたもので、画面中央にマウナケア山の影が三角形に見えています。
日本でも「影富士」と呼ばれる現象が知られています。これは富士山の山頂から富士山の影がみられる現象です。影富士の形も三角形をしています。富士山のような円錐形の山であれば、影が三角形に見えるのは不思議ではないように思えます。
ただマウナケア山は、画像に映る影ほどには左右対称ではありません。しかし影がきれいな三角形になっているのはどうしてでしょうか。
同様の現象は、世界各地の山の頂上から、日の出あるいは日没時に見ることができます。画像を掲載したNOIRLab(アメリカ光学・赤外天文学研究所)のウェブページによれば、山頂付近にいる人が地平線まで届く山の影を見ているとき、影が遠方にいくにつれて先細りして見えるようになります。仮に、山の形が立方体や円柱のような形だとしても同様であり、まっすぐに遠方まで伸びる線路を見ているときに左右のレールが1点に収束して見えるのと同様の効果だとのことです。
なお画面左側に見えているのはサブミリ波干渉計(SMA)です。
画像は、NSF(アメリカ国立科学財団)のNOIRLabから、2023年9月27日に「Images of the Week」として公開されたものです。
Image Credit: International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA/J. Chu
(参照)NOIRLab