超巨大ブラックホールによる観測史上最大規模の潮汐破壊現象を確認か

超巨大ブラックホールに星が近づきすぎると、ブラックホールの重力によって星が引き裂かれ破壊される「潮汐破壊現象」が起きることがあります。

ミシガン大学のJon Miller氏らは、2014年に潮汐破壊現象「ASASSN-14li」が発見された現場を、NASA(アメリカ航空宇宙局)のチャンドラX線望遠鏡とESA(ヨーロッパ宇宙機関)のXMM-Newtonを使って観測しました。ASASSN-14liは、かみのけ座の方向、約2億9000万光年の距離にある銀河で発生しました。

イラストは、ASASSN-14liの想像図です。破壊された星のガスの一部(赤)は周回しながらブラックホールへ落ちていき、一部のガス(青)が吹き飛ばされているようすが描かれています。

Miller氏らは、ブラックホール周辺の炭素に対する窒素の相対的な量から、破壊された星が太陽の約3倍の質量だったことを明らかにしました。ブラックホールに引き裂かれた星としては、これまで発見された中でおそらく最も重い星の一つだとのことです。

2023年はじめには別の天文学者チームが、太陽の約14倍の質量の星が破壊されたと推定した現象が報告されました。この報告に関してMiller氏らは、潮汐破壊として確認されてはおらず、星の質量の推定も、今回のようにブラックホール周辺の物質の詳細な分析に基づいたものではないとしています。

Image Credit: NASA/CXC/M.Weiss

(参照)Chandra X-ray Observatory