火星ヘリ「インジェニュイティ」、38回目、39回目の飛行映像

これらの映像はどちらも、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星ヘリコプター「インジェニュイティ」の飛行時に撮影されたものです。上は38回目のフライト、下は39回目のフライト時のもの。

これらのタイムラプス映像は、インジェニュイティの胴体部分に取り付けられているナビゲーションカメラで撮影された画像を元に作成しました。ナビゲーションカメラのデータは、飛行中にリアルタイムで位置や姿勢を決定するために使われており、飛行中に火星表面を追跡するため真下を向いています。

38回目の飛行は2023年1月4日(667火星日)に行われました。最高速度は秒速3.5mで飛行距離は111m、最高高度10mで、74.3秒間飛行しました。「Airfield Y」と呼ばれる地点から離陸し、「Airfield Z」と呼ばれる地点に着陸しました。

一方、39回目の飛行は2023年1月11日(673火星日)に行われました。最高速度は秒速4mで飛行距離は140m、最高高度は38回目と同じ10mで、78.7秒間飛行しました。38回目が片道飛行だったのに対し、39回目は往復飛行で離着陸ともにAirfield Zでした。この39回目の飛行は、新たなソフトウェアのテストのために行われました。

インジェニュイティは、火星探査車パーサヴィアランスに連れられて火星に降り立ちました。2021年4月に初飛行に成功、その後、当初の予想をはるかにこえて稼働しており、現在も飛行を続けています。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech
映像制作: Noriaki Okamoto

(参照)Mars Helicopter Tech Demo