玄武岩質の砂に満ちた、火星の火山平原にある亀裂

この画像には、火星のエリシウム平原にある若い火山地域が映っています。火星探査機トレース・ガス・オービター(TGO)が、2021年4月14日に撮影した擬似カラー画像です。

画像には青い溝が2本、並んで走っているのが映っています。これは「ケルベロス・フォッサ」と呼ばれる地形で、地殻変動によって形成されたと考えられています。ケルベロス・フォッサは火山地帯を約1000kmにわたり走っています。この画像では、幅2kmの亀裂の一つを真上から見ています。

画像に映る溝の底は、数百メートルの深さがあり、玄武岩質とみられる粒子の粗い砂で満たされています。その砂は、画像では青く見えています。

周囲の火山平原には小さな衝突クレーターが点在しており、ケルベロス・フォッサでみられるのとおそらくは同じ玄武岩質の物質が露出しています。

TGOは、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)とロシア・ロスコスモスが共同で進めるエクソマーズ計画で打ち上げられた探査機です。2016年3月14に打ち上げられ、同年10月に火星の周回軌道に入りました。

Image Credit: ESA/Roscosmos/CaSSIS

(参照)ESA