木星の衛星イオにある火山ザール・パテラ(Zal Patera)の周辺を、NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機ガリレオが撮影した画像です。1999年11月25日に撮影された高解像度の白黒画像の上に、同年7月3日に撮影された低解像度のカラー画像が重ねられています。
画像上部の中央に見られる長細く黒い領域はカルデラの端で、台地の端と接しています。また中央やや右上の赤い物質は、溶岩が表面に噴出した地域でよく見られます。ここでは赤い物質が山のふもとに沿っています。これは硫黄ガスが、山の形成に関連する断層に沿って放出されていることを示している可能性があります。
表面に落ちた影の長さから、ザール・パテラの西に隣接する台地は高さ約2kmと推定されています。またカルデラの南側にある山は高さ約4.6km、画像下部にある小さな山は高さ約4.2kmと推定されています。
11月25日に撮影された白黒画像の解像度は1ピクセルあたり約260mで、2万6000kmの距離から撮影されました。一方、7月3日に撮影されたカラー画像の解像度は1ピクセルあたり1.3kmで、約13万kmの距離から撮影されました。
Image Credit: NASA/JPL/University of Arizona