天の川銀河の星とともに映る渦巻銀河NGC 5495 ハッブル望遠鏡が撮影

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河NGC 5495。うみへび座の方向、約3億光年の距離にあります。NGC 5495は「セイファート銀河」と呼ばれる、中心部が特に明るく輝くタイプの銀河です。セイファート銀河にある非常に活動的な銀河中心核(活動銀河核)では、超巨大ブラックホールに落下する物質の重力エネルギーが解放されて大量の電磁波が放射されています。

NGC 5495の銀河中心核の明るさには、超巨大ブラックホールに落下する物質からの光だけでなく、星形成領域や星々の光も寄与しています。ハッブル望遠鏡の観測により、NGC 5495の中心核にあるさまざまな光源を見極め、超巨大ブラックホールの質量を正確に測定することができました。

画像には、NGC 5495の右側と銀河中心のすぐ左上に、十字形の光の筋を伴った明るい星が2つ映っています。これらは天の川銀河内にある星です。光の筋は「回折スパイク」と呼ばれるもので、ハッブル望遠鏡の鏡筒内部の構造物により生じています。

ハッブル望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたこの画像は、2022年9月26日に「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されたものです。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Greene
Acknowledgement: R. Colombari

(参照)ESA/Hubble