WISEがとらえた輝線星雲LBN 114.55+00.22

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の赤外線天文衛星WESEがとらえたもので、画面中央に輝線星雲LBN 114.55+00.22が映っています。

LBN 114.55+00.22のような輝線星雲は、大質量星からの紫外線によって星雲内の水素ガスが電離して輝きます。このような星雲は「HII領域」とも呼ばれ、そこでは新しい星が形成されています。なおHは水素の元素記号で、IIはガスが電離していることを表しています。

LBN 114.55+00.22の場合、星雲の大部分は塵によって可視光が遮られています。そのような塵も星雲内の若い星の光で温められて赤外線を放出するため、WISEの赤外線検出器によってとらえることができます。

画面左下には、恒星IRAS 23304+6147が赤く映っています。この星は一生の最終段階を迎えている赤色巨星で、やがて惑星状星雲になるとみられています。LBN 114.55+00.22の右上に見える明るい星は、超巨星の変光星HIP 117078です。

なお天体名に含まれる「LBN」は「Lynds Bright Nebula」の頭文字を取ったもので、天文学者リンズが1965年に発表した星雲のカタログに由来しています。「114.55+00.22」は天の川銀河における星雲の座標を表しています。

3.4μm、4.6μm、12μm、22μmという赤外線の4つの波長で撮った画像を、青、シアン、緑、赤に割り当てて色合成した疑似カラー画像です。青とシアンは主に星からの光を、緑と赤は主に塵からの光を示しています。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/WISE Team

(参照)WISE