二つの波長でとらえた棒渦巻銀河NGC 1300の星と分子ガスの分布

エリダヌス座の棒渦巻銀河NGC 1300をとらえた画像です。NGC 1300は、地球から約6100万光年の距離にあります。NGC 1300には星とガスからなる棒状構造(この画像では画面を横切るように見えています)があり、中央には激しい星形成を示すリングがあります。

画像は異なる波長の光で観測した画像を合成したものです。オレンジ色に見えている部分はアルマ望遠鏡で撮影されたもので、星の原料となる分子ガス雲に対応しています。背景の青みがかった領域は、ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)に搭載されている超広視野面分光装置MUSEで撮影された画像で、やや古い星の分布を示しています。

この画像は「PHANGS(Physics at High Angular resolution in Nearby GalaxieS:近傍銀河の高解像度観測による物理学研究)」というプロジェクトの一環で撮影されたものです。さまざまな波長で銀河を観測して比較することで、新しい星の誕生を推し進めたり、逆に妨げたりするものを研究することができます。

画像は2022年1月10日にリリースされた、ESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」です。なおアストロピクスでは、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したNGC 1300の画像を紹介したことがありますので、興味のある方はあわせてご覧ください。

Image Credit: ESO/ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)/PHANGS

(参照)ESO