公転周期が24時間以内の太陽系外惑星は「超短周期惑星(USP)」と呼ばれています。今回、DLR(ドイツ航空宇宙センター)の研究者を中心とする国際的な研究チームは、31光年離れた赤色矮星(M型星)の周りを7.7時間で公転する系外惑星「GJ 367 b」を発見しました。
GJ 367 bの直径は地球のおよそ0.72倍(9000km強)で、火星よりやや大きい程度です。質量は地球の0.55倍程度であることがわかりました。GJ 367 bは、これまで発見された系外惑星の中でも最軽量の惑星の一つです。ただ密度は地球よりも高く、鉄に近い密度があります。惑星の半径の86%を鉄のコアが占め、水星の内部構造に似ているとみられています。
GJ 367 bの公転軌道は主星に近いため、地球の500倍以上強力な放射にさらされています。表面温度は1500℃以上に達し、岩石や金属も溶けてしまうほど高温になっています。
GJ 367 bはNASA(アメリカ航空宇宙局)の系外惑星探査衛星TESSによって発見されました。TESSは、惑星が恒星の手前を通過する際に生じる恒星の光のわずかな変化を測定する方法(トランジット法)で系外惑星を探索します。研究チームは、トランジットのデータから惑星の半径を求めました。
ESO(ヨーロッパ南天天文台)の3.6m望遠鏡に設置されている「HARPS」という装置を使った観測も行われました。HARPSは、惑星が公転することによって生じる主星のふらつきを測定する装置です。そのふらつきから質量が求められました。
M型星には平均して2〜3個の惑星があると推定されており、この星系にもGJ 367 b以外に惑星が存在している可能性があります。それらの惑星の情報から、GJ 367 bのようなUSPがどこからやってきたのかなどについての手掛かりを得られるのではないかと期待されています。
Image Credit: SPP 1992 (Patricia Klein)
(論文)GJ 367b: A dense, ultrashort-period sub-Earth planet transiting a nearby red dwarf star