この画像はNASA(アメリカ航空宇宙局)の月探査機ルナー・リコネッサンス・オービターが、月のチャプルイギンB・クレーターをとらえたものです。クレーターの直径は1400メートルあります。
このクレーターは比較的若いクレーターです。はるかに巨大な直径123キロメートルのチャプルイギン・クレーターの縁のところに形成されました。
このクレーターが、比較的若いクレーターであることを示す証拠はいくつかあります。
まず一つは、明るく白い物質が見られることです。月のように大気のほぼない天体では、表面の物質は宇宙風化のために時間の経過とともに暗くなっていく傾向があります。宇宙風化とは、塵や太陽風などが天体の表面に衝突することで表面物質の性質が変わることです。明るくて白いのは、表面に露出したばかりの物質であることが多いのです。
クレーターの縁がくっきりしていることも若い証拠の一つです。重力や、別の場所で発生した衝突現象による地面の揺れなどにより、クレーターの縁は時間の経過とともに少しずつ崩れていくからです。
さらに、クレーターの上に別のクレーターが見られないことも、クレーターが若いことを示しています。クレーターが形成されてから時間が経つほど、クレーター上に隕石が衝突して新しいクレーターができる可能性が高くなるのです。
Image Credit: NASA/GSFC/Arizona State University