火星の迷路状地形に見られる含水鉱物を含む岩石

この画像はNASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービター(MRO)がとらえた火星のノクティス・ラビリントスの一部です。明るく見えている岩石には含水鉱物が含まれています。ノクティス・ラビリントスとは、火星の赤道付近にあるマリネリス峡谷の西にある迷路状の地形です。

ノクティス・ラビリントスの窪みの多くは含水鉱物を含んでいます。これは気候が乾燥・寒冷だったと考えられている火星のヘスペリア代後期からアマゾニア代にかけて、この地域で水の存在が持続していたことを示唆しているとのことです。

なおヘスペリア代、アマゾン代は火星の地質年代の呼び方で、ヘスペリア代は約37億年前〜約30億年前、アマゾン代は約30億年前から現在までの年代のことです。なおヘスペリア代より前(約37億年前以上前)はノアキス代と呼ばれます。

画像は青緑、赤、赤外で取得した画像を青、緑、赤に割り当てて色合成した擬似カラー画像ですので、肉眼で見た色とは異なります。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページでは、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2014年5月18日に撮影されたもので、2021年2月6日のHiPODとして紹介された画像です。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE