小惑星リュウグウの粒子から核酸塩基ウラシルを発見 | アストロピクス

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小惑星リュウグウの粒子から核酸塩基ウラシルを発見

はやぶさ2が小惑星リュウグウから持ち帰った粒子に、RNAに含まれる核酸塩基ウラシルと、代謝に不可欠な補酵素の1つビタミンB3(ナイアシン)が発見されました。北海道大学や海洋研究開発機構、九州大学などの研究者からなる国際研究グループによる成果です。ウラシルの濃度は試料1グラムあたり最大32ナノグラム、ビタミンB3の濃度は1グラムあたり最大99ナノグラムでした。

研究グループは、リュウグウの最表層と地表下に由来する試料を分析。ウラシルもビタミンB3も、最表層より地表下のサンプルで濃度が高く、表層では宇宙線や紫外光による分解の影響が示唆されました。このような分布は、極低温の星間分子雲を模擬した環境での光化学反応生成物とよく一致しており、少なくとも一部は太陽系形成前の光化学反応で生成されたと推測されています。今回の結果は、隕石などに含まれる有機化合物が生命誕生の材料になったとする説を支持するものです。【1分で読む宇宙ニュース】

Image Credit: NASA Goddard/JAXA/Dan Gallagher

(参照)北海道大学