重力レンズを通してたみ遠方銀河 ウェッブ望遠鏡が撮影 | アストロピクス

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重力レンズを通してたみ遠方銀河 ウェッブ望遠鏡が撮影

この画像はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がとらえたもので、かみのけ座の方向、地球から約63億光年の距離にある銀河団「SDSS J1226+2149」と、その銀河団の重力レンズによって歪んだり明るくなったりした遠方の銀河が映し出されています。

画像右下に銀河団があり、その中心には非常に巨大で明るい楕円銀河があります。その楕円銀河の左下には大きく歪んだ銀河があり、また周辺に円弧のように長く引き伸ばされて映っている銀河も見えています。

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遠方銀河での星形成調査のために撮影

銀河団など、巨大な質量をもつ天体が存在すると、まわりの空間(時空)が大きく歪みます。空間の歪みは巨大なレンズのようなはたらきをして「重力レンズ」と呼ばれる効果をもたらします。重力レンズは遠方にある銀河からの光を曲げて銀河の像を歪ませるほか、遠方銀河の明るさを増大させます。そのため、重力レンズを利用することで、遠方にある銀河を研究することが可能になります。

冒頭の画像は、遠方銀河での星形成を調べるためのプログラムの一環で撮影されたものです。ウェッブ望遠鏡の感度と重力レンズを組み合わせることで、遠方銀河での星形成の初期段階が調査されました。

こちらは重力レンズで引き伸ばされた銀河の1つ。タマゴを飲み込もうとしているヘビのようにも見えます。

画像はウェッブ望遠鏡のNIRCam(近赤外線カメラ)で撮影されました。ウェッブ望遠鏡のウェブページでは毎月、「Picture of the Month(今月の1枚)」の画像を公開しています。この画像は2023年3月のPicture of the Monthとして紹介されたものです。

Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, J. Rigby

(参照)ESA/Webb