最新データを元に描かれた、天の川銀河の最新想像図 | アストロピクス

最新データを元に描かれた、天の川銀河の最新想像図

これらはESA(ヨーロッパ宇宙機関)の位置天文衛星ガイア(Gaia)のデータをもとに描かれた、天の川銀河の最新の想像図です。2025年1月15日にESAが公開。1枚目は銀河円盤を真上から、2枚目は真横から見たものです。

天の川銀河は、中央に「バルジ」と呼ばれる膨らんだ部分があり、そこから渦状腕が渦を巻くように伸びています。バルジは細長い棒状の構造をしています。ESAによるとガイア衛星のデータから、天の川銀河には2本以上の渦状腕があり、またそれらは従来考えられていたよりも目立たないことが示されたとのことです。真横から見た画像では、暗い塵が円盤を裂くように見えています。また銀河円盤は平らではなく、端の方が波打つようにゆがんでいます。

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ガイアは科学観測を終了し退役へ

2013年12月に打ち上げられたガイア衛星は、天の川銀河の精密な3次元マップを作ることが目的の衛星です。2014年7月から2025年1月までの間に約20億の天体について3兆回以上の観測を行い、星の位置や距離、運動や明るさの変化、温度、組成などを観測してきました。

2025年1月15日、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)はガイア衛星の科学観測を終了したと発表しました。ガイア衛星は毎日約12gの低温ガスを使って高精度で回転しながら観測を行ってきましたが、そのガスがほぼ尽きたためです。科学観測終了後の数週間は、技術面でのテストが行われることになっています。そのテストは、将来の宇宙ミッションの設計に役立てられます。技術テストののち、ガイア衛星は太陽を中心とする軌道へ移され、残りのデータを地上へ送信した後に退役することになります。

なお2026年には、ガイア衛星のデータセット「DR4(Data Release 4)」が公開される予定です。DR4では連星カタログを拡張、また発見される太陽系外惑星も増加するとみられています。その後、2030年末までに最終データリリースとなるDR5が公開されることになっています。

Image Credit: ESA/Gaia/DPAC, Stefan Payne-Wardenaar

(参考)
18億超の星の全天マップ。ガイア衛星の最新データ公開!
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(参照)ESA