この画像は、いて座にある球状星団NGC 6638の中心部を、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたものです。球状星団は、数万〜数百万の星が球状に集まった星団で、この画像に映っているように星団の中心部は星が高密度になっています。
1990年のハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げは、球状星団の研究に革命をもたらしました。地上にある望遠鏡で球状星団の星々をはっきりと見分けることは、地球の大気のゆらぎのため非常に困難でした。宇宙から観測するハッブル宇宙望遠鏡では、大気のゆらぎは問題になりません。
ハッブル宇宙望遠鏡は、球状星団がどのような種類の星で構成されているか、またそれらの星がどのように進化するのかなどを研究するために使われてきました。今後は、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を使って観測することで、球状星団の理解がさらに進むと期待されています。
画像はハッブル宇宙望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)とACS(掃天観測用高性能カメラ)を使って撮影されました。2022年8月1日にハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」としてリリースされた画像です。
Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Cohen
(参照)ESA/Hubble