直接撮像された、うさぎ座AF星を公転する太陽系外惑星 | アストロピクス

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直接撮像された、うさぎ座AF星を公転する太陽系外惑星

この画像は、うさぎ座AF星を公転する木星型惑星をとらえたものです。いずれも南米チリにあるESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)に搭載された観測装置SPHEREを用いて、2つの独立した研究グループ(ESOおよびINAF[イタリア国立天体物理研究所]のグループ)によって撮影されました。各画像の左側に見える明るい点が惑星です。

両グループはまず、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の位置天文衛星ヒッパルコスとガイアのデータを調べました。どちらも恒星の位置と動きを正確に測定してきた衛星です。もし惑星が存在すると恒星の動きに乱れが現れます。両グループは、うさぎ座AF星が、そのような乱れた動きをしていることを発見しました。

両グループがVLTを使い、うさぎ座AF星を詳しく調べたところ、周回する惑星を直接撮像することができたのです。補償光学により大気のゆらぎを補正し、また中央の恒星の光を隠すことで惑星を撮影しました。観測により惑星の質量は木星の数倍程度であることが明らかになりました。

うさぎ座AF星は、太陽とほぼ同じ質量、大きさ、温度の恒星です。惑星は太陽〜土星間に似た距離を公転しています。またこの惑星系には、太陽系のカイパーベルトと似た特性をもつデブリベルトがあります。うさぎ座AF星は誕生後2400万年ほどとまだ若く、詳しく調べることで太陽系の形成についてのヒントが得られると期待されています。

画像は2023年2月20日に公開されたESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」です。

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波長により見えたり見えなかったり

こちらの動画はSPHEREを使い赤外線で撮影されたものです(Credit: ESO/De Rosa et al.)。惑星の大気中の分子が、さまざまな色(波長)の光を吸収するため、波長を切り替えることで惑星が明るくなったり暗くなったりしています。下の目盛りと数字は赤外線の波長を示しています。

Image Credit: ESO/Mesa, De Rosa et al.

(参照)ESO