スピッツァー宇宙望遠鏡がとらえた惑星状星雲NGC 246 | アストロピクス

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スピッツァー宇宙望遠鏡がとらえた惑星状星雲NGC 246

NASA(アメリカ航空宇宙局)のスピッツァー宇宙望遠鏡が赤外線でとらえた惑星状星雲NGC 246。輝くガスと塵の雲に囲まれた死にかけた星の姿です。

スピッツァーの観測により、塵に隠されていた巨大なリング構造(赤)が明らかになりました。そのリング構造は、年老いた星から放出された物質でできており、星雲の中心からややずれて存在しています。

太陽程度の質量の星は年老いると赤色巨星となり、やがて星の外層のガスが放出されていきます。残された中心星からの紫外線により放出されたガスが電離して輝き、惑星状星雲となります。

この画像では、放出されたガスが緑にみえ、物質のリングが赤く見えています。そのリングを作っているのは、星から水素原子の形で放出され、やがて冷えてペアとなった水素分子だろうと見られています。

画像は2003年12月6日に撮影されました。3.6μmの波長を青、4.5μmを緑、5.8μmをオレンジ、8μmを赤に割り当てて色合成したものです。

なおNGC 246は「どくろ星雲」とも呼ばれる天体で、アストロピクスでは以前、ESO(ヨーロッパ南天天文台)のVLT(超大型望遠鏡)を使い、可視光の波長で撮影されたNGC 246の画像を紹介したことがあります。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/J. Hora (Harvard-Smithsonian CfA)

(参照)Spitzer Space Telescope