ハッブルがとらえた「南のかに星雲」 〜 ハッブル打ち上げ29周年記念画像

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた「南のかに星雲(Hen 2-104)」。ケンタウルス座の方向、数千光年の距離にあります。ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ(1990年4月24日)29周年を記念して、2019年4月に公開された画像です。緑は水素、赤は硫黄、オレンジは窒素、青は酸素からの光を示しています。

この星雲は、砂時計のような形が2つ、入れ子になったような構造をしています。星雲の中心には、赤色巨星と白色矮星からなる連星系があります。その2つの星の相互作用によってガスが上下方向に流れ出して、このような構造の星雲ができました。入れ子になった構造のうち、外側は数千年前、内側はそれよりも最近になって流出したガスによってできたものです。

星雲の縁の部分が明るくなっており、カニの足のように見えています。これらの“足”は、連星から流れ出したガスが星間ガスや塵、あるいはより早い時期に赤色巨星から放出されていた物質と衝突した場所だとみられています。

赤色巨星はいずれ白色矮星になります。その後、2つの白色矮星が周囲のガスを電離して輝くようになって「惑星状星雲」と呼ばれる星雲になるとみられます。

ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ30周年(2020年4月24日)に向けて、NASA(アメリカ航空宇宙局)は「30 Years, 30 Images」と題して、これまでハッブルが撮影してきた画像から各年1枚ずつ選んで公開しています。冒頭の画像はその29枚目のものです。

Image Credit: NASA, ESA, and STScI

https://www.flickr.com/photos/nasahubble/49577419901/in/album-72157713228021437/

https://hubblesite.org/contents/news-releases/2019/news-2019-15.html