アメリカのスペースシャトルが飛行していたころは、スペースシャトルによるハッブル宇宙望遠鏡の保守ミッション(サービス・ミッション:SM)が何度か実施され、観測装置の交換や、故障した機器の交換などが行われました。上の写真は、1999年12月に行われた3回目の保守ミッション(SM3A)のときのようすです。
SM3Aは、スペースシャトル・ディスカバリーによるSTS-103ミッション(12月19日打ち上げ、27日帰還)で行われました。宇宙飛行士の船外活動により、姿勢制御のためのジャイロスコープの交換などが行われました。
ハッブル宇宙望遠鏡には姿勢制御のためのジャイロスコープが6台搭載されています。姿勢制御には少なくとも3台のジャイロスコープが必要ですが、1999年11月までに4台のジャイロスコープが故障してしまっており、その時点でハッブル宇宙望遠鏡は観測できない状態になっていました。SM3Aでは全てのジャイロスコープが交換され、ハッブル宇宙望遠鏡は観測を再開することができたのです。
Image Credit: NASA/ESA