海王星のような青色をした土星の北半球 | アストロピクス

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海王星のような青色をした土星の北半球

土星というと黄色っぽいイメージがあるかもしれません。ただ土星の自転軸は約27度傾いているため季節変化があり、季節によっては画像のような青色になることがあります。

この画像は、カッシーニ探査機が土星の北半球をとらえたものです。土星表面で暗く見えているのは、リングが落とす影です。リングの下(南)側から太陽光が当たっていることから、撮影されたのは土星の北半球の冬の時期であることが分かります。

やや明るく見える雲もところどころに見えていますが、この時期、北半球の上層大気には雲が多くありません。そのため太陽光が上層大気中を通過する距離が長くなります。そのとき、より短い波長の青色の光が効率的に大気中で散乱されるため青く見えることになります。雲が少ない理由は分かっていませんが、リングの影によってもたらされる低温が関連している可能性があるようです。

画像はカッシーニ探査機が2004年12月14日に撮影しました。撮影時、探査機は土星から71万9200kmの距離に位置していました。

参考記事:北半球の冬の時期にとらえられた土星

Image Credit: NASA/JPL/Space Science Institute

(参照)Planetary Photojournal